冷戦ってもう教科書の中のことですね
経済システムとして
資本主義と共産主義があります。
もちろん日本は資本主義です。
かつて、共産主義が世界を席巻した
時代がありました。もう遠い昔の
ことの様に感じます。
資本主義が共産主義よりも
優れているという見解が一般的です。
だけど、本当に幸せになれましたか?
確かに発展しているのですが
物質的な豊かさと引き換えに
長時間働いていませんか?
企業が利益を上げている
その横でリストラにあって
その日暮らしの人がいます。
これって本当に幸せでしょうか?
そして、そのような人達を
競争の結果かだから、自己責任だから
仕方ないと言っていいのでしょうか?
本書を読めば、規模が大きすぎて
考えることのできない資本主義の
問題を考えるきっかけになります
もうそんなことマルクスが指摘していた
資本主義の結果として筆者は
①労働者の搾取と②環境破壊
そして③格差の拡大が発生したこと。
その問題はそもそも資本主義という
システムが根本的に持っている問題と
指摘したうえでそれってマルクスが
すでに150年くらい前に指摘していた
ことを主張しています。
そして資本主義は、もともと持つ問題を
克服することができないばかりか
それを多くの地域に広げています。
マルクスの時代では子供や女性が
長時間働することや、工場が出す
煙による公害、その中で一部の資本家が
その富を独占していること。
制度が不十分であったこともあり
資本主義が持つ問題を国内のリアルな
問題として目のあたりにしていました。
それが同時に資本主義の限界であると
マルクスは指摘しました。
その、問題を克服するために共産主義の
根幹が築かれていきます。
ただ、社会主義に政治利用されたため
共産主義は衰退しました。
マルクスの示唆は資本主義の在り方を
根本から問うものであります。
本書ではこのような『資本主義の限界』に
ついて、社会の在り方、環境破壊といった
多面的に書かれており、とても
読み応えがあります。
筆者の主張について
資本主義VS共産主義
という構図の中で、著者である
斎藤さんの主張がなされている
『第七章脱成長コミュニズムが世界を救う』
より『脱成長コミュニズムの柱』を
紹介します!
「使用価値」に重きを置いた経済に転換して、大量生産・大量消費から脱却する(P.301)
使用価値つまり、本質的な価値に着目すべき
という趣旨です。モノやサービスを
売ることのみに着目し
その本質的な価値の向上に
つながらないブランディングや
過剰な包装を慎むべきという内容です。
本質的な価値をお金に換算することの
難しさを痛感します。
労働時間を削減して、生活の質を向上させる(P.302 )
労働時間の短縮を求めることに
異議は全くありません。そのとおりです。
本書では労働の価値の高める方法として
機械化の後退について言及しています。
機械化の後退があれば、労働力としての
ヒトの役割が向上させるべきという
主張がなされています。
言及されている内容はともかく
時計の針を戻すことは容易ではないと
感じました。
またこれまで機械化された仕事は本当に
ヒトが心底したい職業なのかヒトが機械に
押し付けている仕事では?とも感じました。
画一的な労働をもたらす分業を廃止して、労働の創造性を回復させる(P.307 )
分業は、機械化と並んで業務を効率化する
方法ですが、行き過ぎた分業は仕事を
単純行動の繰り返しにしてしまいます。
確かに仕事が早く終わることはいいこと
ただ、仕事がつまらないものに
なってしまうという側面があります。
また、過度な効率化は心身の疲弊を
もたらします。現代が陥っているワナ
かもしれません。
仕事のやりがいは、自分の仕事が社会に
役立っているという実感により感じられる
ものであり、行き過ぎた効率化よりも
重視すべきものです。
生産のプロセスの民主化を進めて、経済を減速させる(P.310)
法律上の会社の所有者は株主です。
では株主はどこまで、経営に首を
突っ込むべきか?
これは結構、難しい問題です。
なぜなら株主である投資家は経営の
プロではないからです。
しかし
株主は会社の所有者であるので
労働者は株主のためひいては投資家の
ために働いていることになります。
ここで、投資家VS労働者という図式に
なりますが、実は、投資家がいないと
労働者は労働できないし、労働者が
いないと会社の経営はできません。
対立関係ではなく、相互依存の
関係にあります。本当に必要なのは
両者が尊重しあうことだと
私は考えています。
(かなりの困難だと思いますが…)
使用価値経済に転換し、労働集約型のエッセンシャル・ワークの重視(P.312)
私はサービス業や製造業など、具体的な
サービスを行う職種の地位が低いように
感じています。
ただ、大学生の新卒の希望職種の上位に
エッセンシャル・ワーカーが来るでしょうか?
営業企画や広報などの職種を希望する方が
多いのではないでしょうか?
そのため、資金の配分も
少なくなっていると感じています。
労働集約型の職業に対する尊敬や
多くの人が『やりたい』と思う職業になる
必要があるのではないかと感じました。
さいごに
時代がすすみ、国内問題であった
①労働者の搾取、②環境破壊
国境を越えたため
その問題が見えづらくなりました。
また③所得格差は
先進国と発展途上国のみならず
国内問題としてその領域が
広がっています。
スターバックスでコーヒーを
いただいているその裏で
過酷な労働を余儀なくされている
子供がいます。
文明の進歩の裏で、海水面が上昇して
故郷を捨てることを余儀なくされた
人達がいます。
そんな人を助けるわけでもなく
株価ばかりを
気にしている大富豪がいます。
問題は解決していません。
だた、見えないところに行っただけ
そして、見ないようにしているだけです。
本書は遥か過去から現代の人々に
シンプルかつ強烈な質問の投げかける
そんな1冊です。
他にも伝えたいことがあります。
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