はじめに
今回のブログのテーマは創業融資における
「資本金と株主が与える影響」です。
現在では資本金が「1円」でも株式会社が
設立できるので、資本金が少ない企業も
散見されます。
ただ、資本金の金額は融資の可否や融資金額に
影響するため、特に設立時の資本金の決定は
慎重に行う必要があります。
また、中小企業では株主と経営者の関係が
意思決定に大きな影響を及ぼすため
「株主は誰か」も重要な視点になります。
創業融資と資本金の重要性
創業融資を受ける際に重要な項目は
「実務経験」と「自己資金」です。
そして「自己資金」が資本金に相当します。
つまり「自己資金=資本金」と
考えてもいいでしょう。
例えば、資本金が1円や10万円の企業が
1000万円の創業融資を希望する場合
金融機関は事業が成立するか疑問を抱き
創業融資の実行可能性は低くなります。
このため、融資を受けたい額に見合うだけの
資本金を設定することが重要な視点になります。
さらに、資本金の資金源も注意が必要です。
友人などから借りたお金を資本金として
利用している場合、そのお金は
自己資金とはみなされず、銀行から融資を
受ける際に問題になることがあります。
自己資金で資金を自己資金とすることを
「見せ金」というのですが、見せ金と
わかってしまうと融資は実行されません。
また金融機関は融資申請の際に通帳を
チェックするため、見せ金は簡単に
見抜かれてしまいます。
創業者は自分のお金を使って
出資することが重要になります。
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経営者と株主の関係
株主は会社の所有者として
会社の意思決定に大きな影響を与えます。
株主と経営者が同じであれば
問題は少ないですが、異なる場合
例えば外部の株主が多い場合、経営者が自由に
会社を運営できなくなる可能性があります。
特に、経営者の出資比率が低い場合
重要事項の決定権限を他の株主に握られる
ことがあり、経営の自由度が制限される
可能性があります。
また、たとえ共同経営の場合であったとしても
株主が分散していると、意思決定を
スムーズに行えない可能性があります。
例えば、3人で33%ずつ株式を保有している場合
一見公平に見えるものの、経営者が何かを
決定しようとした場合
他の株主の承認が得られなければ
意思決定が滞ってしまうことがあります。
これを避けるためには、株式を経営者に
集中させることが望ましいでしょう。
株主構成の長期的な影響
また創業時の株主構成が
将来的に大きな影響をもたらす
可能性があります。
例えば、経営者が会社を成長させ
株式の価値が大きく上昇した場合
成長に貢献していない株主も同様に
利益を享受することになります。
会社経営の貢献度という観点から
経営者と株主との間でトラブルが
発生する可能性があります。
また、株主が亡くなった場合には
その相続人が株式を引き継ぐことになり
株主がさらに分散する可能性もあります。
株式の分散は、会社運営にとって
大きなリスクを伴う可能性があるので
相続時に限ったことではありませんが
株式の分散を防ぐことが重要になります。
さらに、少数株主が問題を
引き起こす可能性もあります。
そもそも少数株主には「買取請求権」
という権利を持っており、これが発動されると
会社が出資当初に比べて大きな金額で
株式を買い取らなければならないケースもあります。
このように株主が多数存在する場合
トラブルが発生することがあります。
これを避けるためにも株主構成を慎重に考慮し
経営者の「1人株主」とするのが
創業融資では理想になります。
まとめ
今回の記事では
・資本金が自己資金として見なされること
・他人から借りたお金での出資が問題となること
・株主が複数存在することにより生じる問題
これらをメイントピックとして伝えました。
創業融資を受ける際には
資本金と株主構成に
安易に決定すること無く
注意を払う必要があります。
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