はじめに
今回のテーマは「コロナ融資の同額借換」です。
日本政策金融公庫から借りている、コロナ融資を返済してる事業者は、同額借換をぜひ検討しましょう。
といっても「同額借換」という制度が分からないという方のために、まず「同格借換」とはどのような取引かをカンタンに説明します。
この制度をひとことでいうと、文字どおり、現状の融資金額と同額の融資を申し込むことです。例えば、500万円のコロナ融資を借りて、その返済が始まり、現状の融資残高が400万円。このような状況で再度400万円を申し込む、これが典型的な取引になります。
「同額借換」が行われると、当初融資額である400万円を返済して、新しく400万円借り入れることになります。融資額の増額が無いため、意味が無いと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
同額借換を行う際に、猶予期間を設ける、あるいは、返済期間を長くするなど、融資の条件を見直すことができます。この条件の見直しによって、資金繰りを良くすることができます。
また、これが同額借換の真の狙いになります。ここまでは同額借換の一般的な説明です。
実は、制度としてコロナ融資を対象にした同額借換があります。この制度は2024年の3月までの予定になっているので、もし申し込みを考えているなら、早めにアクションを起こしましょう!
ここからは、コロナ融資の同額借換について下記の切り口でお伝えします。
・現状について
・基本的な項目
・申込関係
現状について
一般的に融資の返済が厳しい場合①頑張って返済する②リスケ(条件変更)③同額借換という3つの方法があります。
このなかで②リスケは注意が必要な取引です。
リスケすると返済しなくてもよくなるので、一見、有利な取引に思えます。しかし、リスケを行うと正常化になるまで、追加融資ができなくなるなど、後々苦しむ可能性があります。
私の知り合いの経営者にもリスケで苦しんだ人を知っています。そのため、リスケに安易に頼らない方がいいでしょう。
そのため、まずは③同額借換から検討して欲しいと思います。
実は、私もコロナ融資の同額借換を申し込んでいます。経緯を言うと2023年の夏ぐらいに案件が少なくなったタイミングがあり、今後の資金繰りに問題が出ることを懸念してのことでした。
無事に取引が実行され、1年間の猶予期間を頂いたくことができました。その期間でしっかりと、収益の出る状況することを目指して、営業活動を行っています。
私のケースでは契約までの手続で、引っかかるところは無かったのですが、3年ぐらい前のコロナ融資のときに比べると、審査は厳しくなっているようです。
その理由として、今後の収益見込みといった、将来の事業活動に関する説得力が足りないことが、断られる一因になっていると考えられます。つまり、通常の融資判断に近づいているとこといえます。
「誰でも取引できる」という状況でありません。これはコロナ禍における状況と大きく変わった部分なので、注意が必要です。
基本的な項目について
ゼロゼロ融資(コロナ融資)について、日本政策金融公庫を利用する、もしくは保証協会の制度を利用するという2つのパターンがありますが、どちらの融資制度を利用しているか知らない経営者も少なくありません。
今回の投稿で対象にしているのは「日本政策金融公庫」のコロナ融資です。
ここで、保証協会の制度を利用している場合、基本的に金融機関が窓口になってるので、利用している金融機関の担当者から打診されます。もし、担当者から声がかかっていない場合、まずは金融機関に問い合わせしましょう。
ちなみに保証協会の場合は「コロナ借換保証」という制度を利用することになります。
よく似た制度が、日本政策金融公庫と保証協会にあるという理解でいいでしょう。
一方で、日本政策金融公庫は事業者が自ら、申し込むことが前提になるので、制度を知らなかったという事業者もいるかもしれません。知なかったでは済まされないことなので、きっちりと対応して欲しいと思います。その際、資金繰りを改善させるため「猶予期間の設定」に取り組みましょう。
申込関係について
手続や申込資料について、もう1度コロナ融資に申し込むことと同様のことをすることになります。
そのなかで「売上の減少要件」は注意が必要になります。
売上の減少要件について、基本的にはコロナ禍の時と同じ基準で判断します。つまり、当初融資を受けたときと同じことを繰り返すことになります。ただ、売上が戻ってきているケースも多く、同月比5%減少という要件に、当てはまらないことが考えられます。
「この月だったら適用できる」という月がピンポイントで発生する場合、その月をベースに計画的に申し込みをしましょう。
いざ、申し込みをする段階になって、売上の減少要件を満たすことができていない場合、申し込み以前の問題になります。また会社によっては「今月の売上が分かりません」というケースもあるので、税理士と連携することも重要になります。
金利について、たしかに3年前と比較すると金利は上昇しているので、金利が気になる経営者もいると思います。
ただ、私の意見としては「金利は問題ではない」と考えています。
具体的にいうと「基準金利‐5%」で取引できます。現状では1%切るぐらいの金利です。これはとても低い水準であるため、金利を判断基準にする必要は無く、条件が合うなら「同額借換」一択といってもいいでしょう。
さいごに
資金繰りが厳しくなってからでは、手遅れになるケースも想定されます。もし制度を利用したいならば、可能な限り早く取り組むのが得策です。。
またその時は、懇意にしている金融機関の担当者や税理士などの専門家に相談してください。
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